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IDLE TALK
私的ココロ







ディーシー・ラボの代表、奥本が、モノやコトそしてドーラクについて、その時々の興味を気ままに綴ったアイドルトーク(無駄話)。仕事も遊びも楽しむ方々との小休憩ページです。
また時折登場する趣味のコラム「道楽迷路」は、その道の趣味、興味のない方にはさっぱり意味不明、本当に時間の無駄となります。


過去の私的ココロ

お暇な方、もの好きな方ヘ贈る、愛と追憶のバックナンバー。





Vol.004
リ・バースという考え方

Text : Kenji Okumoto
Photo : Kazuo Ikemune , Kenji Okumoto
Re・Birth : Katsufumi Tatsuta
Illustration : Ogucyan


*流木の写真立て            *潮に洗われさびた鉄のローソク立て

私たちが制作で使う手法に、「リ・ バース」というものがある。

これは、リバース(Reverse :逆送り)ではなくて、
リ・ バース(Re・ Birth:再び誕生)として使っている造語だ。

すなわち、朽ち果てたものや廃棄されるものを再生利用し、もう一度日の目を見させるということ。
最初は、(be born again:再生する)と同意語のつもりで、
(Re・ Born)を名乗ってたんだけど、
「え?リボンをつくるの?」と勘違いされるので変えた。

そのモノは、ある時は浜で拾った流木であったり、店舗や工場の廃棄物であったり、大型ゴミの日に拾ってきたものだったりする。

「へ〜それじゃ、原価ゼロじゃん!儲かるねぇ。」
と思ったあなた。

あなたは、正しい。

じゃなくて、現実はとっても大変なのだ。
主には、店舗などのディスプレイ装飾に利用するんだけれど、これらが素敵に見えないと、施主のOKはもらえない。
新しい店舗に、汚い、捨てられたものを持ってこようとするんだから、当然といえば当然だけど…。


*お店に近い浜辺で拾った、漂流物のテーブルオブジェ

展示現品商品や、プレゼント商品にしたこともある。
商品化するには、本当に“新しい命”とセンスを宿してないかぎり、「キャーッ!これいい!欲しい!」とは、絶対に言ってもらえない。

だから、その素敵に再生するための手間や時間を考えると、新しいものをもってきた方が、よほど楽だったりするのだ。

そうまでして、リ・ バースという手法にこだわるのは、新しい生命と共に、その場所だけの強いメッセージを発信するものを設置したいから。

その工場から出た廃棄物は、それまで永く使用に耐え、役に立ってくれたものたち。
浜に流れ着いたペットボトルなどのゴミも、心ない人たちに捨てられるまでは、しっかり役目を果たしていたのだ。

そうしたモノたちに感謝と敬意を払いながら、再生利用を考えることは、ある意味○○運動、○○キャンペーンではない、押しつけず自由に感じてもらう環境保護メッセージでもあるのだ。


*漂流ボトルのスタンドライト      *シーグラスのスタンドライト

海に廃棄され、色褪せて流れ着いたポリボトルの数々。
どれ一つとして同じ表情のものはない。
そしてその数だけの、不法投棄をした人々がいる。

ちゃんと回収された2リットル入りペットボトルは、25本で1着のPCRウェアになる。
(Post−Consumer Recycled=消費者から回収された)

しかしこの漂着したボトルの数々は、そうした再生の道を与えられず、またゴミとしても処理されなかった、ゴミの中のゴミ。
「可哀想に…」とは誰も思わない。
「何だかきれいだな…」とも誰ひとり思わない。

しかし何を感じたか、それを最後の姿にしたくなかった、ひとりのクリエイターがいたのだ。
それがリ・ バースを制作する、仕事仲間の立田克文。
海を愛する、シャイな男である。
彼の手によって、漂着ボトルも流木も、再生の道が与えられ、社会復帰させられる。


*さびた釘のペンダント

単なるグッズではない、でもアートとは言い切らない。

こうした造作物が、驚くほど自然に受け入れられていった。
このものを通して、数多くの方と思いを共有することができた。
単純な発想であったはずの独りのアイデアが、メッセージとして受け入れてくれる人との共感が生まれることで、造るエネルギーが増幅していく。

もっとワクワク、ステキなムーブメントへ。

それが『Re・birth』





2005年06月11日 19時27分

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